日本への帰化申請、失敗しないための手続きとポイント

「これからもずっと日本で暮らしていきたい」
「日本人として、この国で新しい人生をスタートさせたい」
そう強く願う一方で、
「帰化申請って、何から始めたらいいんだろう?」
「手続きがすごく複雑で、自分一人でできるか不安…」
「もし失敗したらどうしよう…」
といった、たくさんの不安や疑問をお持ちではないでしょうか。
こんにちは、めぐみ国際行政書士事務所の代表、鈴木恵です。
帰化申請は、あなたの人生における非常に大きな決断であり、その道のりは決して簡単ではありません。しかし、正しい知識を持ち、一つひとつのステップを丁寧に進めていけば、必ず道は開けます。
この記事では、あなたのそんな不安を少しでも和らげ、帰化申請というゴールに向かって確かな一歩を踏み出せるよう、手続きの全体像から、つまずきやすいポイント、そして成功のための秘訣まで、心を込めて分かりやすく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、帰化申請への漠然とした不安が、具体的な行動計画へと変わっているはずです。あなたの新しい一歩を、全力で応援させてくださいね。
まず知っておきたい!帰化申請の基本と「永住権」との違い

『帰化』と『永住権』、どちらが良いのか迷われる方は非常に多いです。まずはこの二つの違いをしっかり理解することが、最初の重要なステップですよ。
「日本人になる」ということ、それが帰化です
帰化とは、一言でいえば「日本の国籍を取得して、法律上、日本人になる」ということです。
日本人になると、日本のパスポートを持つことができ、選挙で投票したり、立候補したりすることも可能になります。また、在留カードの更新といった手続きも一切不要になり、日本国民として安定した生活を送ることができます。
一方で、日本は二重国籍を認めていないため、原則として元の国の国籍は失うことになります。これは、あなたの人生にとって非常に大きな決断になりますね。
大きな違いは「国籍」:「帰化」と「永住権」を比べてみましょう
「日本にずっと住める」という点では同じように思える「帰化」と「永住権」ですが、その性質は全く異なります。
- 帰化: 日本国籍を取得し、日本人になります。
- 永住権: 外国籍のまま、日本に永住する権利を得ます。
この「国籍が変わるかどうか」が、すべての違いの出発点です。
項目 | 帰化 | 永住権 |
国籍 | 日本 | 元の国籍のまま |
参政権(選挙など) | あり | なし |
日本のパスポート | 取得できる | 取得できない |
在留カードの更新 | 不要 | 必要 |
国外退去の可能性 | なし | あり |
必要な居住年数(目安) | 5年以上 | 10年以上 |



意外に思われるかもしれませんが、実は居住年数の条件だけを見ると、帰化の方が短いのです。
私は帰化できる?7つの基本条件をチェックしよう
帰化を申請するためには、国籍法で定められたいくつかの条件をクリアする必要があります。ここでは、特に重要な7つの条件を一つずつ見ていきましょう。



少し難しく感じるかもしれませんが、ご自身の状況と照らし合わせながら読んでみてくださいね。一つでも不安な点があれば、お気軽にご相談ください。
1. 住所要件:継続して5年以上、日本に住んでいますか?
「継続して」というのがポイントです。1回の出国が3ヶ月以上であったり、1年間の合計出国日数が100日~150日を超えたりすると、それまでの居住歴がリセットされてしまう可能性があります。
2. 能力要件:18歳以上ですか?
日本の法律で成人と認められる年齢であることが必要です。
3. 素行要件:ルールを守って生活していますか?
これは非常に重要な条件で、具体的には以下の点が見られます。
- 犯罪歴: ないことが原則です。
- 交通違反: 軽い違反が数回程度なら問題ありませんが、重大な違反があると難しくなります。
- 納税・年金の義務: 税金や年金の未納・滞納は、不許可の大きな原因になります。必ずきちんと納めているか確認しましょう。
4. 生計要件:日本で安定した生活が送れますか?
あなた自身、または配偶者などのご家族の収入で、安定した生活ができることを証明する必要があります。大切なのは貯金の額よりも、毎月安定した収入があることです。
5. 二重国籍の禁止:元の国籍を離れることができますか?
先ほどお話しした通り、帰化によって元の国籍を失うことが前提となります。
6. 思想要件:日本のルールを守る意思がありますか?
日本国憲法は、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義 という大切な原則から成り立っています。
そのため、「憲法や政府を暴力で破壊すること」を目的とする思想や団体に関わっていないことが求められます。
つまり「私は平和的に日本で生活します」という姿勢を明確に示すことが、この要件のポイントです。
7. 日本語能力:簡単な読み書きや会話ができますか?
日本の小学校低学年くらいの読み書き・会話能力がひとつの目安とされています。法務省の担当官の方が、日本語能力に疑問を持った場合は、読み書きにテストが行われる場合もあります。
帰化申請の全ステップを徹底解説|相談から許可まで
帰化申請は、書類を出して終わり、ではありません。法務局の担当官と何度も話し合いながら進めていく、長い道のりです。



このプロセスは平均して1年ほどかかります。書類集めは特に大変ですが、一つひとつ丁寧に進めていきましょう。当事務所では、この複雑な書類の準備から作成まで、しっかりとサポートいたします。
法務局での事前相談【予約必須】
まずは、あなたの住所地を管轄する法務局に電話で予約を取り、相談に行くことから始まります。ここでは、あなたの状況が帰化の条件を満たしているか、担当官が確認します。
膨大な書類の収集
相談でOKが出たら、あなた専用の必要書類リストが渡されます。この書類集めが、帰化申請で最も大変なパートです。
- 自分で作る書類: 申請書、履歴書など
- 日本の役所で取る書類: 住民票、納税証明書など
- 母国から取り寄せる書類: 出生証明書、婚姻証明書など
特に母国の書類は、取得に時間がかかることが多いので、計画的に進める必要があります。また、外国語の書類はすべて日本語の翻訳が必要です。
申請書類の作成と提出
すべての書類が揃ったら、法務局で担当官のチェックを受け、問題がなければ正式に申請が「受理」されます。この受理をもって、審査がスタートします。
面接と調査
受理から数か月後、法務局で面接が行われます。申請書類に書いた内容について質問されますので、正直に、誠実に答えることが大切です。
審査結果を待つ
面接が終わると、最終的な審査期間に入ります。結果が出るまで、許可・不許可の連絡を待ちます。この期間中に、住所や仕事が変わったり、交通違反をしたりした場合は、必ず法務局に報告してくださいね。
許可が出たら終わりじゃない!帰化後の大切な手続き



日本人としての新しい生活をスムーズに始めるために、とても大切な手続きが残っています。
無事に許可の連絡が来たら、それで全て完了ではありません。日本人としての戸籍を作ったり、身分証明書を切り替えたりするために、期限が決められた手続きを速やかに行う必要があります。
- 帰化届の提出(1ヶ月以内)
- 在留カードの返納(14日以内)
- マイナンバーカードや運転免許証の名義変更
- 日本のパスポートの申請
特に在留カードの返納は期限が短いので、忘れないように注意しましょう。
帰化申請で失敗しないために|専門家に相談するメリット
帰化申請は、ご自身で進めることも不可能ではありません。しかし、その道は非常に複雑で、多くの時間と労力がかかります。
不許可となるケースで多いのは、
- 税金や年金の未納
- 過去の交通違反や申請内容の矛盾
- 長期の出国による居住要件の中断
- 審査中の変更事項の報告漏れ
といったものです。
私たち行政書士のような専門家にご依頼いただくことで、
- あなたの状況に合わせた最適なアドバイスが受けられる
- 複雑な書類収集・作成の負担を大幅に減らせる
- 手続き上のミスを防ぎ、不許可のリスクを最小限にできる
といったメリットがあります。何よりも、一人で悩みや不安を抱え込まずに済むという精神的な安心感が、一番大きいかもしれません。
まとめ
ここまで、帰化申請の全体像についてお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。
帰化申請は、あなたの人生をかけた、長くて険しい道のりかもしれません。しかし、その先には、日本人としてこの国で暮らすという、かけがえのない未来が待っています。
めぐみ国際行政書士事務所は、ただ手続きを代行するだけではありません。あなたの日本への想いに真摯に寄り添い、夢を実現するためのパートナーとして、ゴールまで共に歩んでいきたいと思っています。
当事務所は英語・中国語にも対応しておりますので、言葉の壁を感じることなく、安心してご相談いただけます。
あなたの新しい一歩を、心を込めて、全力でサポートいたします。
まずは、無料相談からお気軽にお問い合わせください。


プロフィール
行政書士・鈴木恵。日本と上海の大学を卒業後、約12年間、国際線客室乗務員として勤務。多国籍のお客様との出会いを通じて、日本での留学や就労を目指す方々の夢に触れる。行政書士として、在留資格の申請をはじめとする外国人支援に注力中。
「飛行機を降りたその先にも寄り添える存在に」をモットーに、ひとりひとりの過去・現在・未来を大切に、丁寧にサポートしています。



「こんなことで相談していいのかな?」と思うような小さなことでも、どうぞ気軽にお問い合わせくださいね。