【行政書士が徹底解説】日本の永住権申請、7つの必須条件と3つの落とし穴|許可率を高める完全ガイド
「これからもずっと日本で暮らしたい」
「家族と安心して、安定した生活基盤を築きたい」
そう強く願って、永住権の取得をお考えではありませんか?
こんにちは、めぐみ国際行政書士事務所の鈴木恵です。英語・中国語・日本語に対応し、これまで多くの外国人の方々の在留資格に関するお悩みに寄り添ってまいりました。
永住権は、一度取得すれば在留期間の更新が不要になり、お仕事の幅も広がるなど、多くのメリットがある素晴らしい資格です。しかし、その分、申請の審査は非常に厳しく、「準備を万全にしたつもりが、思わぬ理由で不許可になってしまった…」というご相談も少なくありません。
でも、ご安心ください。永住権の審査には、明確なポイントがあります。
この記事では、専門家である行政書士の視点から、複雑な永住権の申請条件を一つひとつ丁寧に、そして分かりやすく解説していきます。この記事を最後までお読みいただければ、あなたが永住権を取得するために「今、何をすべきか」が明確になり、自信を持って申請への第一歩を踏み出せるはずです。
あなたの新しい未来への一歩を、心を込めてサポートいたします
そもそも「永住権」とは?取得する3つの大きなメリット
永住権(在留資格「永住者」)は、外国人の方が日本で安定して生活していく上で、最も強力な在留資格の一つです。具体的にどのようなメリットがあるのか、まずは確認しておきましょう。
メリット①:在留期間の更新が不要になる安心感
永住権の最大のメリットは、在留期間が無期限になることです。
これまで数年ごとに行っていた在留期間の更新手続きが不要になります(※在留カード自体は7年ごとの更新が必要です)。
「次の更新は許可されるだろうか…」といった将来への不安から解放され、腰を据えて日本での生活設計を立てることができます。
メリット②:仕事の幅が広がる!職業選択の自由
永住権を取得すると、原則として就労活動に制限がなくなります。これまでは在留資格の範囲内でしかできなかったお仕事も、自由に選択できるようになります。転職はもちろん、ご自身で会社を立ち上げて起業することも可能です。キャリアの可能性が大きく広がりますね。
メリット③:社会的信用度がアップ!住宅ローンも組みやすく
永住者であることは、日本社会における大きな信用の証となります。そのため、住宅ローンや事業用の融資など、長期的な契約を結ぶ際の審査で有利になるケースが多く、日本での生活基盤をより強固なものにすることができます。
永住権申請の「3大原則」をクリアしよう!
それでは、永住権を取得するための具体的な条件を見ていきましょう。出入国在留管理庁は、永住許可のガイドラインで大きく3つの要件を定めています。これらを一つずつクリアしていくことが、許可への第一歩です。

「この3つの要件は、申請の土台となる非常に大切な部分です。一つでも欠けていると許可は難しくなりますので、ご自身の状況と照らし合わせながら、じっくり確認していきましょうね。」
① 素行が善良であること(法律を守る意識)
これは、「法律をきちんと守り、社会のルールに従って生活しているか」ということです。具体的には、懲役刑や罰金刑などの犯罪歴がないことが求められます。
特に注意したいのが交通違反です。
「軽い駐車違反くらいなら大丈夫だろう」と思っていませんか?実は、一度の違反は大きな問題にならなくても、何度も繰り返していると「遵法意識が低い」と判断され、審査に大きく影響します。
- 軽微な違反(駐車違反など):過去5年間で5回以内が目安です。
- 重大な違反(飲酒運転など):罰金を支払ってから5年間は申請が難しくなります。
日頃から、交通ルールを守る意識を高く持つことが大切です。
② 独立して生計を立てられること(安定した収入)
「ご自身の資産やスキルで、将来にわたって安定した生活を送れるか」という点も厳しく審査されます。公的な支援に頼らず、自立して生活できる経済的な基盤があることを証明する必要があります。
具体的な年収額は公表されていませんが、実務上の目安として、
- 単身者の場合:年収300万円以上
- 扶養家族がいる場合:1人増えるごとにプラス70万円~80万円程度
が、一つの基準と言われています。重要なのは、この収入が安定して継続していることです。申請直前の1年だけ年収が高くても、それ以前が不安定だと評価されにくい傾向にあります。また、ご夫婦で申請する場合、世帯収入の合計額だけでなく、主に生計を立てている申請者ご本人の収入が重視されることも覚えておきましょう。
③ 日本の国益になること(日本社会への貢献)
これは、「その方の永住が、日本国にとって利益となるか」を総合的に判断する要件です。少し難しく聞こえますが、具体的には以下の4つのポイントがチェックされます。この要件が、永住権審査の最も重要な部分と言っても過言ではありません。
重要!国益適合要件の4つのチェックポイント
「国益適合要件」を、さらに4つの具体的なチェックポイントに分けて詳しく見ていきましょう。ここがクリアできれば、永住権取得にぐっと近づきます。
① 在留期間は足りていますか?「10年ルール」の基本
原則として、継続して10年以上日本に在留していることが必要です。
さらに、その10年のうち、直近の5年以上は「就労ビザ」または「居住ビザ」で在留している必要があります。



「『留学』ビザで過ごした期間は10年の在留期間には含まれますが、直近5年の就労期間にはカウントされないので注意が必要ですよ。ご自身の在留歴を正確に確認することが大切です。」
② 長期の海外出張は要注意!「継続在留」の落とし穴
「継続して」日本に在留していることも重要なポイントです。これは、生活の本拠地が日本にあることを意味します。そのため、海外への出張や帰国が多すぎると、在留歴がリセットされてしまう可能性があります。
| リスクレベル | 1回の出国期間 | 年間合計出国日数 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 低リスク | 90日未満 | 100日未満 | 一般的な休暇や短期出張として許容される範囲です。 |
| 中リスク | 90日~180日 | 100日~150日 | 理由を説明する必要があります。在留歴がリセットされるリスクがあります。 |
| 高リスク | 180日超 | 150日超 | 在留が途切れたと判断され、カウントがリセットされる可能性が非常に高くなります。 |
お仕事などで海外渡航が多い方は、申請のタイミングを慎重に検討する必要があります。
③ 税金・年金・保険料の「支払い」、本当に大丈夫?
近年、この公的義務の履行が最も厳しく審査されています。チェックされるのは以下の3つです。
- 税金(住民税など)
- 公的年金
- 公的医療保険(健康保険)
ここで最も重要なのは、「ただ支払っている」だけでは不十分だということです。「決められた納期限までに、1日も遅れずに支払っているか」が厳しく見られます。もし、過去に一度でも支払いの遅れがあると、それが不許可の直接的な原因になる可能性が非常に高いのです。
申請前に慌てて未納分を支払っても、遅れたという記録は残ってしまいます。扶養しているご家族の支払い状況も審査対象となりますので、世帯全体で日頃からきちんと期限を守ることが何よりも大切です。
④ 今持っているビザの期間は「3年」以上ですか?
現在お持ちの在留資格の在留期間が「3年」または「5年」であることも、国益要件の一つです。これは、出入国在留管理庁が「この人は安定して日本で生活している」と認めている証拠となります。もし現在の在留期間が「1年」の場合は、まず「3年」の許可を得ることを目指しましょう。
条件が緩和される!?永住権取得への近道(特例制度)
原則として10年の在留が必要ですが、特定の条件に当てはまる方は、より短い期間で永住権を申請できる特例があります。
日本人・永住者の配偶者や子供の場合
日本人や永住者の方とご結婚されている場合、「実体を伴う婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること」で申請が可能です。ただし、審査は世帯単位で行われるため、日本人配偶者の方の収入や納税状況もしっかりと見られます。
「定住者」ビザを持っている場合
「定住者」の在留資格をお持ちの方は、継続して5年以上日本に在留していれば、申請の対象となります。
高度専門職(ハイスキル)人材の場合
専門的な知識や技術を持つ外国人材を対象とした「高度専門職ポイント制度」を利用する方法もあります。ご自身の学歴、職歴、年収などをポイントに換算し、
- 70点以上の方:継続して3年間の在留で申請可能
- 80点以上の方:継続して1年間の在留で申請可能
と、在留期間が大幅に短縮されます。



「ポイント計算は少し複雑ですが、ご自身が対象になるか一度確認してみる価値はありますよ。もし対象であれば、永住権取得への大きな近道になります。当事務所でもポイント計算のサポートを行っていますので、お気軽にご相談くださいね。」
詳しいポイント計算については、出入国在留管理庁のウェブサイトも参考にしてください。
身元保証人のホントの話
永住権の申請には、「身元保証人」が必要です。「保証人」と聞くと、大きな責任を負うイメージがあり、友人や職場の上司にお願いしにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
【重要】借金の連帯保証人とは全く違います!
ここで一番お伝えしたい大切なことは、入管法で定められている身元保証人の責任は、借金などの連帯保証人とは全く異なる「道義的責任」であるということです。
これは、「申請者が日本で困ったときには、できる範囲でサポートします」と国に約束するもので、法的な支払い義務や損害賠償責任は一切発生しません。この点を正しく理解し、お願いする相手の方にもきちんと説明してあげることが、スムーズに協力してもらうための鍵となります。



「『身元保証人』という言葉に、つい身構えてしまいますよね。でも、金銭的な責任は一切ないのでご安心ください。この点を誤解されている方は本当に多いので、お願いする際には、ぜひこのブログ記事を見せてあげてくださいね。」
身元保証人には、日本人または永住者の方になっていただく必要があります。
まとめと行動喚起
ここまで、日本の永住権を申請するための条件について、詳しく解説してきました。
永住権の審査は、これまでのあなたの日本での生活ぶりが問われる、いわば「成績表」のようなものです。
- 法律や社会のルールを守り(素行善良要件)
- 安定した生活基盤を築き(独立生計要件)
- 税金や年金などの公的義務をきちんと果たしてきたか(国益適合要件)
これらのポイントを一つひとつクリアしていくことが、永住許可への確実な道筋となります。特に、税金や年金の期限内納付は、絶対に守らなければならない最重要項目です。
永住権の申請は、ご自身の人生にとって非常に大きな一歩です。だからこそ、多くの不安や疑問が生まれるのは当然のこと。
「私の場合は、どの条件が当てはまるんだろう?」
「書類の準備が複雑で、一人では自信がない…」
もし少しでも不安を感じたら、どうか一人で抱え込まないでください。私たち専門家は、あなたの状況を丁寧にお伺いし、永住権取得までの最適な道のりを一緒に見つけるためにいます。
あなたの新しい一歩を、全力でお手伝いいたします。
めぐみ国際行政書士事務所では、初回のご相談は無料で承っております。まずはお気軽にご連絡いただき、あなたのお話をお聞かせください。共に、未来への扉を開いていきましょう。


プロフィール
行政書士・鈴木恵。日本と上海の大学を卒業後、約12年間、国際線客室乗務員として勤務。多国籍のお客様との出会いを通じて、日本での留学や就労を目指す方々の夢に触れる。行政書士として、在留資格の申請をはじめとする外国人支援に注力中。
「飛行機を降りたその先にも寄り添える存在に」をモットーに、ひとりひとりの過去・現在・未来を大切に、丁寧にサポートしています。



「こんなことで相談していいのかな?」と思うような小さなことでも、どうぞ気軽にお問い合わせくださいね。
