海外で暮らす大切なご両親を日本へ呼び寄せたいあなたへ。ビザ取得の「壁」と、可能性を広げる2つの方法

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「遠く離れた故郷で暮らす両親が心配……」

「病気がちな母を、医療の整った日本に呼んで一緒に暮らしたい」

今、このブログを読んでくださっているあなたは、そんな切実な想いを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。めぐみ国際行政書士事務所の鈴木です。

ご家族を思う優しいお気持ち、よく分かります。しかし現実をお伝えすると、日本において「親」を呼び寄せるためのビザ取得には、配偶者やお子さんを呼ぶ場合に比べて、非常に高い「壁」が存在します。

「無理なのではないか」と不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、決して道が完全に閉ざされているわけではありません。正しい知識と戦略を持つことで、その可能性を手繰り寄せることはできます。

この記事では、専門家の視点から、現在のご両親を呼び寄せるための「2つの主要なルート」と、「審査をクリアするための重要なポイント」について、入管の公式情報を交えながら分かりやすく解説します。

あなたとご家族が、安心して日本で笑顔で暮らせる未来のために。まずは現状を知ることから、一緒に始めてみましょう。

目次

日本には「親を呼ぶためのビザ」がない?まずは現状を知りましょう

いきなり厳しいお話になってしまいますが、実は今の日本の法律には、「親と一緒に暮らすための専用のビザ(在留資格)」というものが原則として存在しません。

日本の入管法では、家族の同居は基本的に「核家族(夫婦と子供)」を想定して作られているからです。「親や兄弟は別の世帯」という考え方が根底にあるんですね。

そのため、単に「寂しいから」「親孝行したいから」という理由だけでは、ご両親を日本に呼び寄せることは認められないのが現状です。

 『えっ、そんな……』と肩を落とさないでくださいね。
原則はそうですが、『特別な事情』がある場合や、『特定の条件』を満たす場合には、例外的に認められるルートがあります。
ここからが大切なポイントです

方法①:高度専門職ビザをお持ちの方の「特例ルート」

もし、あなた(または配偶者様)が高度専門職ビザをお持ちであれば、比較的スムーズにご両親を呼べる可能性があります。

高度専門職ビザについては
こちらの記事を参考にしてください

これは、ポイント制で認定される日本の国益に資する優秀な人材に対し、出入国在留管理庁が認めている「優遇措置」の一つです。

ただし、これには明確な条件があります。親の老後の面倒を見るためではなく、あくまで「あなたの子育て(孫の世話)を手伝ってもらうため」という目的でなければなりません。

このルートを使うための5つの条件

  1. 7歳未満のお子さん(孫)を養育していること(または妊娠中)。
  2. 世帯年収が800万円以上あること。
  3. 呼び寄せた親と同居すること(近所のアパート等はNG)。
  4. 呼べるのは片方の親のみ(夫の親と妻の親、両方は呼べません)。
  5. ご本人が高度専門職ビザを維持していること。

※ポイント計算や詳細な要件については、出入国在留管理庁の高度人材ポイント制についてのページも併せてご確認ください。

知っておくべき「7歳の壁」

このビザの最大の注意点は、「お孫さんが7歳になったら、原則として親は帰国しなければならない」という点です。

永住権を取ったり、ビザの種類が変わったりすると要件が崩れることもあります。「7歳までは一緒にいられるけれど、その後どうするか」という将来設計を、今のうちから考えておく必要があります。

方法②:人道配慮による「老親扶養」ルート(特定活動)

「私は高度専門職ではない」「子供はもう7歳以上だ」という方が目指すのが、この2つ目のルートです。

一般的に「老親扶養ビザ(告示外特定活動)」と呼ばれています。

これは法律の条文にはない、法務大臣が特別な事情を考慮して認める「特例中の特例」です。そのため、審査は非常に厳しく、許可率は数パーセントとも言われる狭き門です。

このビザを取得するためには、「日本で暮らしたい」という希望ではなく、「日本に呼ばなければ、親が生きていけない」という人道上の緊急性を証明する必要があります。

具体的な手続きとしては、短期滞在で入国後に在留資格変更許可申請を行うケースが多いですが、非常に高度な判断が求められます。

許可を得るための「4つの高いハードル」

審査では、以下の4つの条件をすべて満たしているかが厳しくチェックされます。

  1. 高齢であること(原則70歳以上)
  • まだ60代で元気な場合は、「自分で生活できる」と判断されやすくなります。
  1. 本国に身寄りが「誰も」いないこと
  • これが最も難しい条件です。本国に他の兄弟姉妹がいる場合、「その兄弟が見ればいいのでは?」と言われてしまいます。
  1. 重い病気があり、介護が必要なこと
  • 「高血圧」や「腰痛」程度では認められません。認知症や重度の障害など、「誰かの助けがないと生活できない」という医師の診断書が必須です。
  1. 日本側に十分な経済力があること
  • 親御さんが日本で生活保護を受けることは絶対に避けなければなりません。あなたに十分な収入(目安として世帯年収600〜800万円以上)と貯金があることが求められます。

 2025年以降、この審査はさらに厳しくなる傾向にあります。
『かわいそうだから』という感情論ではなく、客観的な証拠を積み上げることが何よりも重要です

 成功の鍵を握る「理由書」と専門家の役割

この厳しい審査を突破するために最も重要な書類、それが「理由書(申請理由書)」です。

これは単なる手紙ではありません。「なぜ本国ではダメなのか」「なぜ日本でなければならないのか」を論理的に説明し、審査官を納得させるための法的な文章です。

  • 本国の病院では治療できない証明
  • 本国の施設がいっぱいで入れない証明
  • 他の親族が面倒を見られない証明

これらを一つひとつ集め、矛盾なく説明する必要があります。ご自身で作成して「感情」ばかりが先行してしまい、不許可になってしまうケースが後を絶ちません。一度不許可になると、再申請のハードルはさらに上がってしまいます。

行政書士に依頼するメリット

このような高難度な申請こそ、私たち行政書士の出番です。

  • 戦略的な理由書の作成:審査官の視点を熟知したプロが、説得力のある文章を作成します。
  • リスクの先回り:「ここを突っ込まれるだろう」というポイントを予測し、事前に対策を打ちます。
  • 手続きの代行:複雑な入管とのやり取りを、あなたの代わりに行います。

費用はかかりますが、ご両親との未来のための「必要な投資」として、ぜひ専門家の力を頼ってください。

これが最優先です。ご自身だけでなく、扶養家族の分も含めて、未納や滞納が一切ないか確認してください。まもなく確定申告の時期(2月中旬〜)もやってきます。
不安な方は、今のうちに役所や税務署で確認し、もし未納があれば速やかに解消しましょう。

まとめ

今回の記事のポイントをまとめます。

  • 日本には原則として「親のためのビザ」はなく、ハードルは高い。
  • 「高度専門職」なら、孫が7歳になるまで呼び寄せが可能。
  • 「老親扶養(特定活動)」は、70歳以上・独居・病気・扶養能力などの厳しい条件が必要。
  • 成功の鍵は、「証拠」と「論理的な理由書」にある。

ご両親の呼び寄せは、ご家族の状況によって戦略がまったく異なります。

「うちは条件に当てはまるだろうか?」「何から準備すればいいの?」と不安な方は、一人で悩まずにぜひご相談ください。

当事務所では、英語や中国語での対応も可能です。あなたとご両親が、日本で安心して暮らせる日が来るよう、私が全力でサポートいたします。まずは一度、あなたの詳しい状況をお聞かせください。

プロフィール
行政書士・鈴木恵。日本と上海の大学を卒業後、約12年間、国際線客室乗務員として勤務。多国籍のお客様との出会いを通じて、日本での留学や就労を目指す方々の夢に触れる。行政書士として、在留資格の申請をはじめとする外国人支援に注力中。
飛行機を降りたその先にも寄り添える存在に」をモットーに、ひとりひとりの過去・現在・未来を大切に、丁寧にサポートしています。

「こんなことで相談していいのかな?」と思うような小さなことでも、どうぞ気軽にお問い合わせくださいね。

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