日本で働く夢を叶える「高度専門職ビザ」と新制度「J-Skip」とは? あなたに最適なビザが分かる徹底比較ガイド

「日本で自分の専門スキルを活かして働きたい」
「でも、ビザの手続きが複雑そうで不安…」
「最近『J-Skip』という新しい制度ができたと聞いたけど、自分は対象になるの?」
はじめまして、めぐみ国際行政書士事務所の鈴木恵です。
日本での新しいキャリアを目指す外国人の方から、このようなご相談を多くいただきます。
日本のビザ制度は、世界中から優秀な人材を積極的に受け入れるために、大きく変わりつつあります。特に「高度人材」と呼ばれる方々には、非常に手厚い優遇措置が用意されているのです。
しかし、その制度が複雑で、ご自身がどの制度を使えるのか、どんなメリットがあるのか分かりにくいのも事実です。
この記事では、日本の高度人材向けビザの2つの主要な道(「従来のポイント制」と「新しいJ-Skip」)について、専門用語をできるだけ使わず、分かりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたに最適なビザの選択肢が見えてくるはずです。
あなたの新しい一歩を、心を込めてサポートいたします。
日本の「高度人材」ビザには2つの道があります
現在、日本が「高度人材」として認めるビザには、大きく分けて2つのルート(道筋)が用意されています。これは、様々なタイプの優秀な方々に日本で活躍していただくための仕組みです。

どちらか一方を選ぶ、というイメージですね。ご自身の状況に合わせて、より有利な方を選択できるのがポイントです。
1. 従来の「ポイント制」(高度専門職)
こちらは以前からある制度で、多くの方が利用されてきました。
申請する方の「学歴」「職歴」「年収」「年齢」「日本語能力」などにそれぞれ点数(ポイント)を付けます。
その合計点が「70点以上」になれば「高度専門職」として認定されます。
- 特徴:
- 高い年収がなくても、博士号などの高い学歴や、長い職歴、日本語能力などでポイントを積み上げられます。
- 日本で学んだ留学生や、キャリアを積んできた中堅の専門家の方も対象になりやすいです。
2. 新しい「J-Skip」(特別高度人材制度)
2023年4月にスタートした、まったく新しいルートです。
こちらは、複雑なポイント計算を「スキップ(省略)」できるのが最大の特徴です。
その代わり、「非常に高い年収」と「一定の学歴または職歴」という、シンプルで明確な条件が設定されています。
- 特徴:
- 世界トップレベルの、いわば「エリート層」の人材を、迅速に日本へお迎えするための制度です。
- ポイント計算の書類準備などが不要なため、スピーディーに申請が進みます。
あなたはどちらのタイプ? 2つの制度の選び方
「自分はどちらの制度を目指すべき?」と迷われるかもしれません。
ここでは、それぞれの制度がどのような方に向いているか、具体的な基準を見ていきましょう。
J-Skip(特別高度人材)がおすすめな方
J-Skipは、非常に高いレベルの専門家や経営者の方を対象としています。
以下のどちらかの条件を満たす方が対象です。
- タイプA:研究者・技術者の方
- 「修士号以上の学歴」 かつ 「年収2,000万円以上」または
- 「職歴10年以上」 かつ 「年収2,000万円以上」
- タイプB:経営者・管理者の方
- 「職歴5年以上」 かつ 「年収4,000万円以上」



年収の基準が非常に明確ですね。この基準をクリアできる場合、J-Skipは最も早くて強力な選択肢となります。
この年収は、日本でこれから受け取る予定の金額(雇用契約書など)で証明できます。
ポイント制(高度専門職)がおすすめな方
J-Skipの年収基準には届かないけれど、高いスキルやポテンシャルをお持ちの方は、こちらのポイント制がおすすめです。
ポイントは、以下の項目などを組み合わせて合計70点を目指します。
- 学歴: 博士号(30点)、修士号(20点)など
- 職歴: 10年以上(20点)、7年以上(15点)など
- 年収: 年齢に応じて設定(例:30代で年収600万円なら20点)
- 年齢: 若いほど有利(例:29歳以下は15点)
- ボーナス: 日本語能力(N1なら15点)や、日本の大学を卒業(10点)など
【シミュレーション例:32歳のITエンジニアAさん】
- 修士号(20点)
- 職歴7年(15点)
- 年齢32歳(10点)
- 年収520万円(15点)
- 日本の大学を卒業(10点)
- 合計: 70点



Aさんのように、年収がJ-Skip基準(2,000万円)に届かなくても、他の要素を組み合わせることで70点を達成できました。
これがポイント制の良さです。ご自身の経歴を丁寧に確認し、ポイントを計算することが重要になります。
【注目】J-Skipだけの特別な優遇措置
さらに、J-Skipで認定された「特別高度人材」の方には、上記に加えて家族のための、より手厚いサポートが用意されています。
- 配偶者のフルタイム就労が、ほぼ無制限に可能
- 従来の制度では、配偶者が働くには「週28時間以内」の制限があったり、配偶者自身が学歴や職歴の条件を満たして別の就労ビザを取得する必要がありました。
- J-Skipでは、これらの制限が撤廃されます。配偶者の方が、ご自身の学歴や職歴に関わらず、フルタイムで幅広い職業に就くことが可能になります。
- 家事使用人を最大2名まで雇用可能
- 従来の制度では1名まで(かつ世帯年収1,000万円以上などの条件あり)でした。
- J-Skipでは、世帯年収が3,000万円以上の場合、最大2名まで外国人の家事使用人を雇用できます。
高度人材になる最大のメリットは? 手厚い優遇措置を解説
なぜ、多くの方がこの「高度人材」ビザを目指すのでしょうか。
それは、他のビザにはない、非常に手厚い優遇措置(メリット)があるからです。
共通する大きなメリット(J-Skip / ポイント制)
まず、どちらの制度で認定されても受けられる、基本的なメリットをご紹介します。
- 在留期間が一律「5年」
- 通常1年や3年で更新が必要なビザも多い中、最初から最長の「5年」が許可されます。将来設計がしやすく、精神的な安心感が大きいです。
- 永住許可(永住権)への近道
- これが最大のメリットかもしれません。
- 通常、永住許可の申請には「10年以上」の日本在住歴が必要ですが、高度人材の方はこの期間が大幅に短縮されます。
- ポイント制(80点以上)または J-Skip の方: 最短1年の活動で永住申請が可能に。
- ポイント制(70点~79点)の方: 最短3年の活動で永住申請が可能に。
- 入国・在留手続の優先処理
- ビザの申請や更新が、他の申請よりもスピーディーに審査されます。
- 親の帯同(一定の条件あり)
- ご自身か配偶者の7歳未満のお子様を養育するため、などの条件を満たせば、ご両親(または配偶者のご両親)を日本に呼ぶことができます。
【注目】J-Skipだけの特別な優遇措置
さらに、J-Skipで認定された「特別高度人材」の方には、上記に加えて家族のための、より手厚いサポートが用意されています。
- 配偶者のフルタイム就労が、ほぼ無制限に可能
- 従来の制度では、配偶者が働くには「週28時間以内」の制限があったり、配偶者自身が学歴や職歴の条件を満たして別の就労ビザを取得する必要がありました。
- J-Skipでは、これらの制限が撤廃されます。配偶者の方が、ご自身の学歴や職歴に関わらず、フルタイムで幅広い職業に就くことが可能になります。
- 家事使用人を最大2名まで雇用可能
- 従来の制度では1名まで(かつ世帯年収1,000万円以上などの条件あり)でした。
- J-Skipでは、世帯年収が3,000万円以上の場合、最大2名まで外国人の家事使用人を雇用できます。



J-Skipの優遇措置は、特に『家族の生活の質(QOL)』を重視しているのが分かりますね。
キャリアを持つ配偶者の方が日本で活躍の場を失わないように、また、多忙なエグゼクティブの方が仕事に集中できるように、という配慮が感じられます。
将来のステップ:「高度専門職2号」と「永住者」の違い
最後に、高度人材として日本でキャリアを積んだ先の、将来のステップについてご説明します。
少し専門的になりますが、とても大切なことです。
「高度専門職1号」から「2号」へ
J-Skipやポイント制で最初に取得する資格は、どちらも「高度専門職1号」と呼ばれます。
この「1号」の資格で3年以上、日本で活動を続けると、「高度専門職2号」という資格への変更を申請できます。
- 高度専門職2号のメリット:
- 在留期間が「無期限」になります。(5年ごとの更新手続きが不要に)
- 許可された活動に加えて、他のほぼ全ての就労ビザの活動(例:自分で会社経営をするなど)も自由に行えるようになります。
最終ゴール?「永住者」との違い
「2号」も「永住者」も、どちらも在留期間が「無期限」になるため、混同されがちですが、決定的な違いがあります。
- 高度専門職2号:
- これは「無期限の就労ビザ」です。
- 在留の前提として、日本で就労活動を続けることが必須です。もし仕事を辞めて長期間働かない状態が続くと、資格が取り消される可能性があります。
- 永住者 :
- これは「永住権」です。
- 就労活動から完全に切り離されます。仕事をする義務はありません。
- 仕事を辞めても、起業しても、引退しても、在留資格が脅かされることはありません。(もちろん、公的義務は果たす必要があります)



どちらが優れているという訳ではなく、あなたのキャリアプランによります。安定して働き続けたい方は『2号』、将来は起業や引退も視野に入れ、より自由な立場で日本に住み続けたい方は『永住者』が最終的なゴールになることが多いですね。
当事務所では、こうした長期的なプランも一緒に考えていきます。
🔗 ご参考:公式サイトでのご確認
この記事でご紹介した制度は、出入国在留管理庁によって定められています。
最新の正確な情報や、詳細な要件、ポイント計算表については、必ず公式サイトも併せてご確認ください。
- 従来の「高度人材ポイント制」について
- 出入国在留管理庁:高度人材ポイント制による出入国在留管理上の優遇制度
- (ポイント計算表などもこちらから確認できます)
- 新しい「J-Skip」について
- 出入国在留管理庁:特別高度人材制度(J-Skip)
まとめ
今回は、日本の高度人材向けビザの2つの道、「ポイント制」と「J-Skip」について解説しました。
- ポイント制は、学歴や職歴、日本語能力などを積み上げて70点を目指す、ポテンシャルのある方向けの道。
- J-Skipは、高い年収を基準に、迅速な認定と手厚い家族サポートが受けられるエリート向けの道。
- どちらも永住権への近道など、大きなメリットがあります。
「自分がどちらの制度を使えるのか、正確に知りたい」
「ポイント計算が複雑で、自分一人では難しそう…」
「家族のビザも含めて、最適なプランを提案してほしい」
そのような不安やお悩みをお持ちでしたら、どうぞご安心ください。
めぐみ国際行政書士事務所では、お一人ひとりの状況やご希望を丁寧にお伺いし、最適なビザ取得のプランをご提案します。
複雑な書類作成や入国管理局とのやり取りは、すべて私たちが代行いたします。
あなたは、日本での新しい仕事や生活の準備に集中してください。
まずは、お気軽に「無料相談」をご利用ください。
あなたの新しい一歩を、心を込めて全力でお手伝いいたします。


プロフィール
行政書士・鈴木恵。日本と上海の大学を卒業後、約12年間、国際線客室乗務員として勤務。多国籍のお客様との出会いを通じて、日本での留学や就労を目指す方々の夢に触れる。行政書士として、在留資格の申請をはじめとする外国人支援に注力中。
「飛行機を降りたその先にも寄り添える存在に」をモットーに、ひとりひとりの過去・現在・未来を大切に、丁寧にサポートしています。



「こんなことで相談していいのかな?」と思うような小さなことでも、どうぞ気軽にお問い合わせくださいね。
